”残業手当”とひとくくりに言いますが、この残業手当とはそもそも何時間労働すれば残業時間になり、割増率は一体いくらで計算を行うのか、ご存知の方は少ないのではないでしょうか。
残業計算を行うにおいてのポイントをいくつかご紹介致します。
就業規則には1日あたりの労働時間と休日が定められており、この組み合わせで通常の労働時間と通常の労働日がわかります。
会社によって、所定労働時間を7時間としているところもあれば8時間としているところもあるでしょう。
労働基準法では、労働時間について原則1日8時間・1週40時間を上限としており、これを"法定労働時間”と呼んでいます。そして法定労働時間を越えた労働時間については、割増賃金の支払義務を設けています。
図解にまとめると以下の通りです。
●始業時間9:00~の事業所の場合(所定労働時間7時間・8時間の両ケースにおいて)
9:00~
(始業時間)
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法定労働時間
(8時間)
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所定労働時間
(7時間)
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17:00~
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法定内残業時間
所定外労働時間
(1時間)
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18:00~
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法定外残業時間
(8時間超~)
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22:00~
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深夜残業時間
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※ 18:00~の残業時間のことを時間外残業といいます。
※ 所定の労働時間を超えた時間~が一般的に言われる"残業時間“です。
割増賃金として支給すべきは”法定外残業時間”、”深夜残業時間”、または”休日出勤”があった場合です。下記が、割増賃金の下限の計算方法です。
尚、下記の割増率以上を支払っていれば問題はありません。あくまでも下限につき、所定外労働時間についても25%以上の割増をしているからといって間違いではありません。便宜的に所定外労働時間についても時間外と同様に25%以上の割増適用をしている事業所もあります。
①法定労働時間以内である所定外労働に対しては、単価×100%を支払う
②1日8時間を越えた場合、25%以上の割増賃金を支払う
③1週40時間を超過した場合、25%以上の割増賃金を支払う(②で25%以上の割増賃金を支払った部分は除く)
④週1日または4週4日の休日を確保できない場合、35%以上の割増賃金を支払う